「ナミキ、顔が優しくなったね」いつも石垣島で良くしてくれる、
人生の先輩がふと言ってくれました。
自分では気付かなかったのですが、
真っ黒に日焼けして
ニコニコしているそうです。
こちらに来て、止めたことがあります。
それは、帽子をかぶることです。
僕は、帽子が大好きで
50個近く持っていて、
石垣島にも10個ほど持ってきました。
いつも帽子をかぶっています。
それは、女性がお化粧をするのに似ているかもしれません。
かぶってないと不安なんです。
それを止めました。
はじめは、すっぴんで街を歩いているかのように、
なんだか不安だったのですが、
今はほとんどかぶりません。
一つ、しょいこんでいたものを降ろしたような気がします。
この地方には
「てーげ」
とか
「なんくるないさぁ」
という言葉があります。
「てーげ」
は
「適当に」
「なんくるないさぁ」
は
「なんとかなるさ」
という意味で、
そんなに肩肘張ってないで
ゆっくり行こうよ、
という言葉に聞こえます。
僕は、相変わらず、
集合時間の10分前には到着し、
前日のうちに次の日の準備をしています。
もっと
「てーげ」とか「なんくるないさぁ」を
体に染み込ませたいと思っています。
心の病気とうまく付き合えるようになったら、
もっと笑えるようになるかな。
沖縄地方は昨日、梅雨入りしたそうで、こちらの梅雨は、
一日中じとじと降る、というよりは、
一時的にスコールのような雨が降るそうです。
その、梅雨入り前の晴れた日、
海に行ってきました。
こちらで知り合った方々と3人で、
石垣島でも特に海が綺麗な
「米原」
という海で、
シュノーケリングをしました。
海中に顔を沈めた瞬間に
海の世界に飛び込みます。
水面から見ただけでは分からない、
海の中の世界。
夢中で泳ぎ、魚を追いかけました。
米原の海は透明度が高く、
10メートル下までくっきり見えます。
波に揺られながら、海の動きに体をゆだねると
魚になった気分です。
心と体とが海とシンクロするのです。
写真の上の方に写っているのが僕です。
水中カメラで撮ってもらいました。
ずいぶん久しぶりのコラムの更新です。まだこうしてこのコラムを読んで、待ってくれる人がいる、
というのは、
とても嬉しいことです。
ここ数週間、
インターネットもテレビもない生活をしていました。
何もすることがないんです。
何もすることがない、
って凄い貴重な体験です。
今まで、バックいっぱいにものを詰め込んで
いつも背中を押されながら生きてきた気がするので、
それらが、何にもなくなった夜は、
とても孤独で、
とても生きている感じがします。
そもそも、この石垣島に来たのは、
ずっと患っていた「パニック障害」の治療の為でした。
環境療法。
いま、こちらで通っている病院の先生は冷酷に
「環境が変わっても自分が変わらなければなんにもなりませんよ」
と言います。
確かにそうだと思います。
でも、石垣島はとても素敵なところです。
石垣島といえば「海」というイメージですが、
標高300メートルくらいの山がいくつかあって、
そこに登ると、
田んぼや畑や牧場の向こうに、
エメラルドグリーンの海が見えます。
感動で言葉を失います。
STAND WAVEは
「ネイチャーヒップホップ」
というジャンルを作り、
大自然や生きる、
ということをテーマにして歌っていましたが、
その根幹を今感じています。
自然は本当に偉大です。
自然の全てに神々が宿っているような気がします。
先日、
山の中で、数百匹の「ホタル」を見ました。
六本木ヒルズのイルミネーションのような銀が混じった光でしたが、
遙かに自然が出す色彩の方が綺麗でした。
もう、自分の周りをホタルが飛び回っているのです。
それを必死にデジカメに治めようとしましたが、
結局見てみると真っ暗でした。
人間が作り出したデジタルでは納めきれない僅かな光を
人間の目は、くっきりと捉えることが出来るんです。
人間と自然。
なんのフィルターもなしに直接向かい合うと、
厳しくも優しく包み込んでくれます。
こうしった体験が、僕には必要でした。
本当に少しずつですが、薬の量が減ってきています。
少しだけ喜んで、
少しだけ気をひきしめます。
石垣島はこれから梅雨入りし、6月中旬から本格的な夏を迎えます。
天の川や南十字星が肉眼で見れるそうです。
毎日、自転車で外出しているだけなのに、
人生で一番日焼けをして真っ黒です。
少年に戻ったようなこの時間を、
大切に過ごしていきたいです。